要約

事業場外資源によるケアとは、4つのケアの一つで、事業場の外部にある機関・専門家を活用してメンタルヘルス対策を進めることを指します。EAP(従業員支援プログラム)、産業保健総合支援センター、医療機関、地域窓口等の外部資源を活用します。

定義

「事業場外資源によるケアは、事業場が、メンタルヘルスケアに関し専門的な知識を有する各種の事業場外資源の支援を活用することをいう。」

— 出典: 厚生労働省「労働者の心の健康の保持増進のための指針」

背景・要点

事業場内産業保健スタッフが充実していない事業場、特に産業医・衛生管理者選任義務のない50人未満事業場では、事業場外資源の活用が必須となります。また、選任事業場でも専門性の高い分野や個別ケースで外部資源を補完的に活用することが推奨されます。

主な事業場外資源:

資源提供サービス
産業保健総合支援センター(さんぽセンター)専門相談、研修、訪問支援(無料)
地域産業保健センター(地さんぽ)50人未満事業場向け健康相談・面接指導(無料)
EAP(従業員支援プログラム)提供会社24時間相談、カウンセリング、復職支援
精神科・心療内科医療機関診療、治療、診断書発行
中央労働災害防止協会・各種研修機関メンタルヘルス研修
こころの耳(厚労省ポータル)情報提供、電話・SNS相談窓口
地域の精神保健福祉センター自治体の精神保健相談
労働基準監督署労災相談、長時間労働相談

特にEAPは、社外カウンセラーによる秘密厳守の相談機会を提供することで、社内に相談しづらい労働者の支援に効果的とされています。

実務でのポイント

  1. 自社のニーズに合った資源選択:事業場規模、業種、課題に応じて適切な外部資源を選びます。
  2. 無料公的資源の活用:さんぽセンター、地域産業保健センター、こころの耳等は無料で活用可能です。特に小規模事業場には有効です。
  3. EAP契約の検討:従業員数100名以上ではEAP契約のコストパフォーマンスが向上します。
  4. 連絡先の周知:外部相談窓口の連絡先を労働者全員に周知します。
  5. 守秘義務の確認:外部資源との契約時には、相談内容の守秘義務と情報共有範囲を明確化します。
  6. 緊急時の連携体制:自殺リスク等の緊急ケースに備え、医療機関・救急との連携手順を整備します。

参考文献

  1. 厚生労働省「労働者の心の健康の保持増進のための指針
  2. 独立行政法人労働者健康安全機構「産業保健総合支援センター
  3. 厚生労働省「こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト

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