要約

作業環境測定法(昭和50年法律第28号)とは、作業環境測定の適正な実施を確保することを目的とした法律で、作業環境測定士・作業環境測定機関の登録制度、有資格者による測定義務、指定作業場の測定義務等を定めています。

定義

「この法律は、労働安全衛生法と相まって、作業環境の測定に関し作業環境測定士の資格及び作業環境測定機関等について必要な事項を定めることにより、適正な作業環境を確保し、もって職場における労働者の健康を保持することを目的とする。」

— 出典: 作業環境測定法 第1条

背景・要点

作業環境測定法は、労働安全衛生法と一体となって機能する法律です。労働安全衛生法第65条は、有害業務を行う一定の作業場について作業環境測定を義務付けていますが、その**「適正な実施」を担保する**のが作業環境測定法の役割です。

法律の主要内容:

  1. 作業環境測定士の資格:第1種・第2種の国家資格、デザイン・サンプリング・分析を実施
  2. 作業環境測定機関の登録制度:機関として登録し、作業環境測定業務を実施
  3. 指定作業場における測定の義務:以下の作業場では作業環境測定士または登録機関による測定が義務
    • 粉じん作業
    • 暑熱・寒冷・多湿作業場
    • 著しい騒音作業場
    • 坑内
    • 中央管理方式による空調事務室
    • 放射線業務作業場
    • 特定化学物質取扱い場
    • 鉛業務作業場
    • 酸素欠乏危険作業場
    • 有機溶剤取扱い場 等

第1種作業環境測定士は、特定の有害物質について自らデザイン・サンプリング・分析が可能です。第2種作業環境測定士はデザイン・サンプリングのみで、分析は登録機関に委託します。

近年、化学物質の自律的管理体制への移行と個人ばく露測定の活用拡大に伴い、作業環境測定法も2026年改正で個人サンプリング法等に対応する見直しが進められています。

実務でのポイント

  1. 指定作業場の特定:自社作業場が法令上の指定作業場に該当するかを確認。
  2. 作業環境測定士の活用:社内に有資格者を確保するか、登録機関に委託します。
  3. 測定頻度の遵守:6か月ごとの測定(一部物質では1年ごと)を遵守します。
  4. 記録の保存:測定結果は3年間(特定化学物質の一部は30年)保存します。
  5. 第三管理区分時の対応:2024年4月以降の改正規則に基づき、保護具着用管理責任者の選任、個人ばく露測定の実施等を行います。
  6. 化学物質自律的管理との整合:管理濃度・濃度基準値の双方に留意した測定計画を立てます。

参考文献

  1. 作業環境測定法(昭和50年法律第28号)
  2. 厚生労働省「作業環境測定について
  3. 公益社団法人日本作業環境測定協会

関連記事

関連用語