要約

管理濃度とは、作業環境測定法に基づく作業環境測定の結果から作業環境管理の良否を判定するために、厚生労働大臣が定める行政的指標です。許容濃度や濃度基準値とは目的・性格が異なる点に注意が必要です。

定義

「管理濃度は、作業環境管理を進めるために、有害物質に関する作業環境の状態を評価するための指標として設定されたもの。」

— 出典: 厚生労働省「作業環境測定基準・作業環境評価基準」

背景・要点

作業環境測定(A測定・B測定)の結果は、第一管理区分(適切)・第二管理区分(要改善)・第三管理区分(直ちに改善)に区分されます。この区分判定の閾値となるのが管理濃度です。

管理濃度は、個々の労働者の健康障害を防止するためのばく露限界値ではなく、作業環境全体の管理状態を評価するための統計的指標である点に注意が必要です。日本産業衛生学会の許容濃度や、2024年から本格運用されている化学物質の濃度基準値とは性格・適用場面が異なります。第三管理区分と判定された場合は、設備改善、作業方法の見直し、保護具着用などの是正措置が必要です。

管理濃度・許容濃度・濃度基準値の違い

指標設定主体目的
管理濃度厚生労働大臣作業環境の評価(A・B測定)
許容濃度日本産業衛生学会個人ばく露の健康影響評価
濃度基準値厚生労働大臣自律的管理下のばく露上限

実務でのポイント

  1. 測定→評価→改善のPDCA:作業環境測定士による定期測定を実施し、管理区分に応じた是正措置を実行・記録します。
  2. 第三管理区分の対応:2024年4月以降、第三管理区分が継続する作業場では個人ばく露測定や保護具着用管理責任者の選任など強化措置が義務付けられました。
  3. 濃度基準値との併用:自律的管理対象物質では、管理濃度ではなく濃度基準値を満たすことが必要となるため、対象物質ごとの根拠を確認します。
  4. 作業環境測定結果の周知:測定結果と評価を労働者に周知し、改善活動につなげます。

参考文献

  1. 厚生労働省「作業環境測定法・作業環境評価基準
  2. 日本産業衛生学会「許容濃度等の勧告」
  3. 厚生労働省「化学物質の自律的管理に関するQ&A」

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