要約
高ストレス者とは、労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度において、検査結果から心身の自覚症状やストレス要因のリスクが高いと判定された労働者のことを指します。本人の申出により医師による面接指導の対象となります。
定義
「高ストレス者とは、ストレスチェックの結果、次のいずれかに該当する者をいう。(1)心身のストレス反応に関する項目の評価点の合計が高い者、(2)心身のストレス反応に関する項目の評価点の合計が一定以上の者であって、かつ、心理的な負担の原因に関する項目および周囲のサポートに関する項目の評価点の合計が著しく高い者。」
背景・要点
ストレスチェック制度(2015年12月施行)では、事業者が労働者にストレスチェックを実施し、結果を本人に通知します。検査結果から「高ストレス者」と判定された労働者は、本人の申出により医師による面接指導を受けることができ、面接指導の結果に基づき事業者は就業上の措置(労働時間の短縮・配置転換等)を講じる必要があります。
高ストレス者の判定基準は、厚労省標準項目(職業性ストレス簡易調査票57項目)を用いる場合、次のいずれかに該当する者です:
- ストレス反応の評価点合計が77点以上
- ストレス反応が63点以上、かつストレス要因+サポート評価点合計が76点以上
実施事業場ごとに事前に判定基準を設定することも認められていますが、上記の標準基準が広く用いられています。
労働者全体に占める高ストレス者の割合は概ね10〜15%程度とされ、企業のメンタルヘルス対策の重要な指標となります。
実務でのポイント
- 判定基準の事前設定:実施前に衛生委員会で判定基準を協議・決定します。
- 本人への結果通知:高ストレス者には判定結果と面接指導の申出方法を必ず通知します。
- 面接指導の機会保障:申出があった労働者には1か月以内に医師による面接指導を実施します。
- 就業上の措置:医師意見聴取後、必要に応じて労働時間短縮、業務内容変更、休業等の措置を講じます。
- 不利益取扱いの防止:高ストレス者であることや面接指導申出を理由とした不利益取扱いは禁止されています。
- 集団分析との連動:個別対応に加えて、部署単位での集団分析結果を職場環境改善につなげます。
- 守秘義務の徹底:実施者・実施事務従事者には厳格な守秘義務があります。
参考文献
- 厚生労働省「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」
- 厚生労働省「こころの耳:ストレスチェック制度」
- 中央労働災害防止協会「ストレスチェック実施者・実施事務従事者研修テキスト」