要約
情報機器作業ガイドラインとは、厚生労働省が2019年に策定(旧VDT作業ガイドラインを改訂)した、PC・タブレット・スマートフォン等の情報機器を用いた作業による健康障害を防止するためのガイドラインです。
定義
「このガイドラインは、情報機器作業に従事する労働者の心身の負担を軽減し、安全と健康の確保を図るため、事業者が講ずべき措置について定めたものである。」
背景・要点
旧「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」(2002年)は、CRTディスプレイを前提とした内容だったため、ノートPC・タブレット・スマートフォン・テレワーク等の現代的な作業形態に対応するため2019年に大幅改訂されました。
主な改訂ポイントは以下の通りです:
- 作業区分の見直し:従来の「Aクラス・Bクラス」を廃止し、「作業時間または作業内容に相当程度拘束性がある作業」と「それ以外の作業」の2区分に簡素化。
- 対象機器の拡大:デスクトップPCのみならずノートPC、タブレット、スマートフォン等も対象に。
- テレワーク対応:自宅等での作業にも事業者の配慮義務を明示。
- 眼精疲労・筋骨格系障害・心身負担:従来の眼の症状中心から、首・肩・腰等の身体症状やストレスを含む包括的な健康管理へ。
- 健診:情報機器作業健康診断の対象を見直し、業務内容と頻度に応じた配置時・定期健診を規定。
実務でのポイント
- 作業環境管理:照度(300ルクス以上)、グレアの防止、ディスプレイ位置(眼から40cm以上、画面上端が眼の高さ以下)、椅子・机の調整可能性を確保します。
- 作業管理:1日の作業時間の制限、連続作業時間(1時間以内)と小休止(10〜15分)の確保、作業姿勢の指導を行います。
- 健康管理:情報機器作業健康診断(業務歴・自覚症状・他覚所見・眼科学的検査・筋骨格系検査)を配置時と定期で実施します。
- 教育:労働者に対して作業姿勢、休憩の取り方、目の体操等を教育します。
- テレワーク環境への配慮:自宅でのPC環境整備(モニター・椅子・照明)と作業時間管理について事業者が支援します。
参考文献
- 厚生労働省「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」2019年
- 中央労働災害防止協会「情報機器作業の労働衛生管理」
- 日本人間工学会「ノートパソコン利用ガイドライン」