要約
労働安全衛生規則(通称「労安則」)とは、労働安全衛生法・労働安全衛生法施行令の規定を実施するために必要な事項を具体的に定める厚生労働省令で、事業者が講ずべき安全衛生措置を細部まで規定しています。
定義
「労働安全衛生規則は、労働安全衛生法及び労働安全衛生法施行令の規定に基づき、並びにこれらの規定を実施するため、定めるものとする。」
— 出典: 労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)
背景・要点
労働安全衛生規則は労働安全衛生法の最も基本的な省令で、6編・約700条から構成される膨大な規則です。
主な構成:
- 第1編 通則:総括安全衛生管理者・安全管理者・衛生管理者・産業医・作業主任者等の選任、安全衛生委員会の運営、健康診断、面接指導、安全衛生教育 等
- 第2編 安全基準:機械等、爆発・火災等の防止、電気、墜落・飛来崩壊等の防止、運搬、荷役、車両系建設機械、型枠支保工、軌道装置、建築物の鉄骨組立て 等
- 第3編 衛生基準:有害環境(気積・換気・温湿度・採光・照明・騒音)、休養・清潔、食堂・炊事場、救急用具 等
- 第4編 特別規制:建設業の元方事業者・特定元方事業者の措置等
- 第5編 雑則:報告・記録の保存等
労働安全衛生規則は法令改正に伴い極めて頻繁に改正されており、近年では化学物質自律的管理(2024年)、雇入れ時教育の全業種化(2024年)、墜落制止用器具のフルハーネス化(2019/2022年)等の重要改正がありました。
労安則のほか、業種・有害要因別に特定化学物質障害予防規則(特化則)・有機溶剤中毒予防規則(有機則)・鉛中毒予防規則(鉛則)・酸素欠乏症等防止規則(酸欠則)・粉じん障害防止規則(粉じん則)・石綿障害予防規則(石綿則) 等の特別則があり、それぞれ詳細な規制を定めています。
実務でのポイント
- 規則の体系を理解:労安則と特別則の関係(特別則優先)を理解します。
- e-Gov法令検索の活用:膨大な条文から必要部分を検索する際にe-Govが便利です。
- 改正情報の継続フォロー:労安則は頻繁に改正されるため、厚労省・労働基準監督署の通達をフォローします。
- 通達(告示・基発)の確認:規則本文だけでなく、解釈通達(基発・通達)が実務上重要です。
- コンメンタールの活用:法令解説書(労働調査会・中央労働災害防止協会等)で詳細な解説を確認します。
- 専門家への相談:複雑な該当判断は、労働安全/衛生コンサルタント等に相談します。
参考文献
- 労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)
- 厚生労働省「労働安全衛生法令」
- 労働調査会「労働安全衛生規則コンメンタール」