要約

局所排気装置とは、有害な蒸気・ガス・粉じん等を発散源の近くで捕捉し、作業者にばく露させる前に屋外へ排出する設備です。労働衛生対策の基本である「発生源対策」の中核を担い、有機則・特化則・粉じん則・鉛則などで設置と性能要件、定期自主検査が義務付けられています。

定義

「局所排気装置とは、有害物の発散源にできるだけ近い位置に吸込口(フード)を設置し、有害物がほかへ拡散する前にそれを捕捉して、空気とともに屋外へ排出する装置をいう。」

— 出典: 厚生労働省・中央労働災害防止協会「局所排気装置の標準的な設計法」

背景・要点

局所排気装置は、(1)フード(吸込口)、(2)ダクト(風管)、(3)空気清浄装置(除じん・除毒)、(4)排風機(ファン)、(5)排気口の5つで構成されます。フード形式は、囲い式(カバー型・グローブボックス型・ドラフトチェンバー型)と外付け式(側方吸引・上方吸引・下方吸引)に大別され、囲い式の方が捕捉効率が高く、可能な限り囲い式を選定することが推奨されます。

性能要件として、特定化学物質障害予防規則・有機溶剤中毒予防規則等は制御風速(フード型式ごとに0.4〜1.0m/s等)を定めており、これを満たさない設備は法令違反となります。設置時には所轄労働基準監督署への届出が必要な場合もあります。

設置後は労働安全衛生法第45条に基づき1年以内ごとに1回の定期自主検査と、設備を変更した際の点検が義務付けられています。記録は3年間保存します。

実務でのポイント

  1. 発生源と作業動線に合わせたフード設計:作業者の動きと発生源を考慮し、囲い式を優先選定します。
  2. 制御風速の確保:法定の制御風速を測定で確認し、不足時はファンの能力増強・ダクトの改修を行います。
  3. プッシュプル型換気装置との比較:広い発散源にはプッシュプル型換気装置が有効な場合があります。法令上同等の代替設備として認められます。
  4. 定期自主検査:1年以内ごとに、フード・ダクト・ファン・除じん装置等の状態を点検し記録します。
  5. 作業環境測定との連動:装置設置後も作業環境測定で第一管理区分を維持できているか継続確認します。

参考文献

  1. 厚生労働省「特定化学物質障害予防規則」「有機溶剤中毒予防規則
  2. 中央労働災害防止協会「局所排気装置の設計と保守管理」
  3. 厚生労働省「局所排気装置等の定期自主検査指針

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