要約

アブセンティーズム(Absenteeism)とは、健康問題に起因する欠勤・遅刻・早退・休業により労働ができない状態を示す健康関連の労働損失指標です。出勤しているが健康問題で生産性が低下している状態を示すプレゼンティーズムとともに、健康経営の評価指標として用いられます。

定義

「Absenteeism is the time absent from work due to illness or disability, measured as the number of days, hours, or percentage of scheduled working time lost due to health-related absence.」

— 出典: WHO/HPQ "Health and Work Performance Questionnaire"

背景・要点

アブセンティーズムは古くから人事・労務管理の指標として用いられてきましたが、健康経営の文脈では「直接的な労働損失」を表す指標として再評価されています。

健康関連の労働損失は次のように分類されます:

指標意味
アブセンティーズム欠勤・休業による労働損失
プレゼンティーズム出勤しているが体調不良で生産性低下
医療費健康保険組合・自己負担の医療費
離職コスト健康問題による離職、再雇用コスト

世界各国の研究では、健康関連コスト全体に占める割合は概ね、医療費15〜25%、アブセンティーズム10〜25%、プレゼンティーズム50〜75%と、プレゼンティーズムの方が大きな経済損失を生むことが知られています。しかしアブセンティーズムは可視化しやすく、まず取り組みやすい指標です。

健康経営優良法人認定や健康経営度調査では、アブセンティーズムの測定・改善が評価対象となっています。

実務でのポイント

  1. 測定方法の標準化:年間欠勤日数、欠勤率(欠勤日数÷所定労働日数)等で測定します。私傷病・有給休暇・公傷病を区別して集計します。
  2. メンタル不調による休業の特化集計:精神疾患による休業率は重要な指標で、厚労省「労働安全衛生調査」でも継続調査されています。
  3. 長期休業者対応:30日以上の連続休業者は職場復帰支援の対象となります。
  4. 要因分析:部署別・年代別・原因別に分析し、組織課題を特定します。
  5. プレゼンティーズムとの併用:両者を併せて測定することで健康経営施策の効果を多面的に評価できます。
  6. 個人情報保護:個人特定を避け、集団値で公表します。

参考文献

  1. WHO/HPQ「Health and Work Performance Questionnaire
  2. 経済産業省「健康経営優良法人認定制度
  3. Goetzel RZ et al. "Health, absence, disability, and presenteeism cost estimates of certain physical and mental health conditions affecting U.S. employers." JOEM, 2004; 46(4): 398-412.

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