要約

JIS Q 45100とは、2018年に発行されたISO 45001(労働安全衛生マネジメントシステム)に、日本の労働安全衛生活動の特徴的要素(4S、KY活動、ヒヤリハット、健康確保、職場環境改善等)を追加した日本産業規格です。正式名称は「労働安全衛生マネジメントシステム — 要求事項及び労働安全衛生活動を含めたその使用の指針」です。

定義

「JIS Q 45100は、ISO 45001:2018の要求事項に加えて、安全衛生活動の取組みについての要求事項及び指針を規定し、ISO 45001:2018と一体で使用することを意図している。」

— 出典: JIS Q 45100:2018

背景・要点

ISO 45001は2018年3月に世界初の労働安全衛生マネジメントシステムの国際規格として発行されました。日本国内では同年9月にJIS Q 45001として翻訳JIS化されると同時に、ISO 45001だけでは不十分な日本独自の安全衛生活動要素を組み込んだJIS Q 45100が制定されました。

JIS Q 45100が追加要求する主な活動要素:

  1. 4S・5S活動(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)
  2. KY活動(危険予知活動)
  3. ヒヤリハット報告・活用
  4. 健康確保活動:健康診断、面接指導、健康教育
  5. 職場環境改善活動
  6. メンタルヘルス対策:4つのケア
  7. 過重労働対策
  8. 快適職場づくり
  9. 化学物質管理:リスクアセスメント
  10. 機械の本質安全化

これらは厚労省OSHMS指針や中央労働災害防止協会の活動指針に含まれてきた日本の伝統的な安全衛生活動で、海外規格のISO 45001だけでは抜け落ちてしまうため補完したものです。

ISO 45001とJIS Q 45100は一体運用を前提としており、JIS Q 45100のみで認証を取得することはできません。

実務でのポイント

  1. ISO 45001との一体運用:両規格を統合した管理システムマニュアルを構築します。
  2. 既存活動との統合:既に行っている4S・KY活動・ヒヤリハット等を、JIS Q 45100要求事項と紐付けて文書化します。
  3. 健康確保の組込み:労働安全衛生法に基づく健診・面接指導をJIS Q 45100体系に組込みます。
  4. 認証取得:ISO 45001 + JIS Q 45100の同時審査を受ける形で認証取得が可能です。
  5. 自社評価の活用:認証取得しない場合でも、JIS Q 45100をチェックリストとして自社評価に活用できます。
  6. 教育の実施:JIS Q 45100で要求される教育内容(KY、4S等)を計画的に実施します。

参考文献

  1. JIS Q 45100:2018「労働安全衛生マネジメントシステム — 要求事項及び労働安全衛生活動を含めたその使用の指針」
  2. ISO 45001:2018 "Occupational health and safety management systems"
  3. 中央労働災害防止協会「JIS Q 45100/ISO 45001解説」

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