要約
受動喫煙防止とは、他人のたばこの煙(副流煙等)にさらされることによる健康への悪影響を防止する取組みで、2018年改正健康増進法(2020年4月全面施行)と労働安全衛生法第68条の2により、施設管理者および事業者に対策義務が課されています。
定義
「受動喫煙とは、人が他人の喫煙によりたばこから発生した煙にさらされることをいう。」
— 出典: 健康増進法 第28条
背景・要点
健康増進法は受動喫煙防止を「望まない受動喫煙をなくす」目的で改正され、多数の者が利用する施設の管理者に対して原則屋内禁煙(または喫煙専用室・加熱式たばこ専用喫煙室の設置)を義務付けました。学校・病院・行政機関等は敷地内禁煙、事務所・工場・飲食店等は原則屋内禁煙が基本です。
加えて労働安全衛生法第68条の2は、事業者に対し「労働者の受動喫煙を防止するため、当該事業者及び事業場の実情に応じ適切な措置を講ずるよう努めるものとする」と努力義務を課しています。厚労省「職場における受動喫煙防止のためのガイドライン」が具体的な対応指針となっています。
WHO・厚生労働省は受動喫煙が肺がん、虚血性心疾患、脳卒中、乳幼児突然死症候群(SIDS)等のリスクを高めるとしており、職場の受動喫煙対策は健康障害防止の重要要素です。
実務でのポイント
- 施設区分の確認:自社事業場が健康増進法上どの施設区分(第一種・第二種・既存特定飲食提供施設等)に該当するか確認し、必要な禁煙措置を講じます。
- 喫煙専用室の技術的基準:設置する場合は、出入口の風速0.2m/s以上、壁・天井で区画、屋外排気などの技術基準を満たす必要があります。
- 掲示と周知:施設内の喫煙可能区域と禁煙区域を明示し、20歳未満の立入禁止を含めて周知します。
- 20歳未満の労働者保護:20歳未満の労働者を喫煙専用室等に立ち入らせることは禁止されています。
- 求人票での表示義務:労働施策総合推進法に基づき、募集・求人時に職場の受動喫煙防止措置を明示する義務があります。
参考文献
- 健康増進法(受動喫煙防止)
- 厚生労働省「職場における受動喫煙防止のためのガイドライン」
- 厚生労働省「なくそう! 望まない受動喫煙」