要約

GHS(Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals:化学品の分類および表示に関する世界調和システム)とは、化学物質の危険有害性を世界共通の基準で分類し、絵表示(ピクトグラム)・注意喚起語・危険有害性情報・注意書きを統一する国連勧告に基づくシステムです。

定義

「GHSは、化学品の危険有害性についての分類および表示を世界的に調和することにより、人の健康と環境の保護、化学品取引における容易な国際取引の促進等を目的として、国連により策定された。」

— 出典: 国連欧州経済委員会(UNECE)GHS

背景・要点

GHSは2003年に国連勧告として初版が発行され、現在は2年ごとに改訂されています(2025年現在は改訂第10版)。日本では2006年の労働安全衛生法改正で導入され、JIS Z 7252(分類)・JIS Z 7253(ラベル・SDS)として国内規格化されています。

GHSの主要要素:

  1. 危険有害性の分類基準:物理化学的危険性(爆発物・可燃性等)、健康有害性(急性毒性・発がん性・生殖毒性等)、環境有害性(水生環境有害性等)を統一基準で分類。
  2. 絵表示(ピクトグラム):9種類の標準ピクトグラム(炎・どくろ・健康有害性・環境有害性等)。
  3. 注意喚起語:「危険」または「警告」。
  4. 危険有害性情報(H-statement):標準化された定型文。
  5. 注意書き(P-statement):取扱・保管・廃棄等の注意事項。
  6. SDS(安全データシート):16項目構成の標準フォーマット。

労働安全衛生法第57条の2、毒物及び劇物取締法、化管法、消防法等で、GHS準拠の表示・SDS交付が義務付けられています。

実務でのポイント

  1. 取扱い化学物質のGHS分類確認:SDS の項目2「危険有害性の要約」でGHS分類とピクトグラムを確認します。
  2. ラベル・容器表示の整備:自社が譲渡・提供する化学物質はGHS準拠のラベル表示を行います。
  3. SDSの作成と交付:JIS Z 7253 に従ったSDSを作成し、譲渡先に交付します。改訂時は速やかに更新版を提供します。
  4. 教育:労働者にGHSピクトグラムの意味、ラベル・SDSの読み方を教育します。
  5. 国際取引対応:各国のGHS実装は微妙に異なるため、輸出入時には対象国の最新版を確認します。
  6. 定期的な改訂対応:国連GHSは2年ごとに改訂され、JIS規格も更新されるため、最新版に追従します。

参考文献

  1. 国連欧州経済委員会(UNECE)「GHS - Globally Harmonized System
  2. JIS Z 7252:2019「GHSに基づく化学品の分類方法」
  3. JIS Z 7253:2019「GHSに基づく化学品の危険有害性情報の伝達方法 - ラベル, 作業場内の表示及び安全データシート(SDS)」

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